今回のLearnTernでは「4種類のビジュアル表現」を紹介します。
基本的にすべてのビジュアル表現はこの4種類のどれかなのです(たぶん)。
文字と数値と……あと2つは何でしょうか?
→「情報デザインと学習者」についてはこちら。
4種類のビジュアル表現
「4種類のビジュアル表現」とタイトルをつけましたが、今回紹介するのは「表現の方法」というよりは「表現の対象」です。
表現の対象は4種類あります。
この4種類を頭の中に整理してしまっておき、表現につまったら引っ張り出せるようにしておくいいことがあるかもです。
文字ばかりのノートや、かわりばえしないスライドに悩んでいる人は、表現する対象を変えてみましょう。
面白い発見があるはずです。
ビジュアル表現① 文字
まず「文字」自体がビジュアル表現になります。
デザインに取り組んでいる人なら誰しもが格闘した相手でしょう。
一方、デザインをあまり知らない人は文字についてそこまで考えたことがないかもしれません。
文字のデザインは「読みやすさ」や「印象」に大きな影響を与えます。
大きさ、形、色、レイアウト、行間、字間など文字にもさまざまな属性があります。パソコンなら簡単にデザインを変えられるので、一度試してみたほうが実感できるでしょう。
手書きのノートの場合、「レタリング」スキルを持っていない人はそこまで幅広い文字表現ができないかもしれません。
でも「大きさ」「レイアウト」あたりは簡単にいじれます。
あとはひらがな・カタカナ・漢字のどれを使うかも重要な選択です。
いろいろと試してみてください。
ビジュアル表現② 数値
「数値」をビジュアルで表現するにはどうすればいいでしょうか?
日本の義務教育を受けたことのある人なら描いたことがあるはずのもので、数値は表現できます。
「グラフ」です。あと「図表」も数値のビジュアル表現と言えるでしょう。
本格的なものでなくても、ちょこっとグラフがあるだけでわかりやすい表現になります。
数値の「変化」や「比較」があるときは積極的に使いたいです。
グラフにはさまざまな種類があります。
適切なグラフを選択できるように勉強してみましょう。
【参考になるTwitterモーメント】
Go Andoさん
→『データ視覚化のデザイン図解まとめ』
ビジュアル表現③ もの
3つ目は「もの」です。
「もの・こと」のうちの「もの」です。
意外でもなんでもなく、ビジュアル表現の代表格ですね。
「こと」との違いは目に見えること。
「もの」は単体として私たちの目に映ります。
その意味では表現しやすい対象ですが、それゆえに表現が難しいとも言えますね。
形に加えて、大きさ・色・方向・立体感などさまざまな属性を持っています。
「もの」のビジュアル表現というと、素人には難しいように感じるかもしれません。
実は「もの」は丸や四角、三角などのシンプルな「線」と「面」で描けたりします。
コツは「大雑把な観察」です。
素人ほど細かい場所を見ようとします。まずは大雑把な形を見て、描いてみましょう。
意外と「ぽく」なります。
ビジュアル表現④ こと
最後は「こと」、目に見えない方ですね。
位置関係や時間、因果関係、感情などが当てはまります。
目に見えないのでやはり表現は難しいです。
その分、視覚化できたときの効果は一番高いとも考えられます。
実は「こと」を表現したものは結構僕らの周りにありますね。
地図は位置関係を表現したものです。フローチャートは因果関係を表現しているでしょう。
ビフォー/アフターの矢印は時間関係を表しています。
「こと」を表現するコツは、私たちが持っている「イメージ」を利用することです。
「→」の左側は古くて、右側は新しい。もしくは左は原因・右は結果。
感情だって簡単に表現できます。
ツリ目やムカムカマークで「怒り」、涙マークで「悲しみ」、縦棒を周りに描けば「落胆」です。
身の回りの「こと」を表現したデザインを観察して、引き出しを増やしておきましょう。
あなたのビジュアル表現が一気に面白くなります。
ビジュアル表現の引き出しを増やそう
今回は「文字」「数値」「もの」「こと」の4種類のビジュアル表現を学びました。
いろいろな表現のカードを持っておけば、臨機応変なデザインが可能になります。
最後に「ビジュアル表現とかムリ……」という人へ。
難しく考えてはダメです。上手くやろうと思ってはダメです。
意外とシンプルに徹すれば、ビジュアル表現は成功します。
学習を補助するビジュアル表現に美麗さや巧妙さは求められていません。
シンプルに、わかりやすく。
求められているのはこれです。
やってみれば、意外とできます。
身の回りのビジュアル表現を観察して、できそうなものを探しみよう