データや情報を上手く分類・整理するためには?
仕事や研究をしていると、データや情報を分類・整理するタイミングがあると思います。
その時、どのように分類や整理を行っていますか?
データ・情報の分類や整理は、その情報を使う人がより効果的に把握できるようにすることが目的です。
したがって、目的に合った分類法を選ぶ必要があります。
そこで役に立つのが「LATCH」と呼ばれる5つの分類・整理の方法(観点)です。
今回はこのLATCHについて紹介していきます。
LATCHとは
LATCHはリチャード・ソール・ワーマンによって提唱された、情報を分類・整理するための5つの方法です。
ワーマンは、「情報を分類・整理するための方法はこの5つしかない」としています。
LATCHは、Location・Alphabet・Time・Category・Hierarchyの頭文字をとったものです。
順番に説明していきましょう。
Location(位置)
「位置・場所」によってデータ・情報を分類・整理する方法です。
よく都道府県別で情報が整理されている事があると思います。
このように地理的・空間的条件が目的に関わってくる場合に適している分類になります。
例えば、何かのイベントで使う施設のリストを見る時、東京都の施設、北海道、広島県、東京都、千葉県、岩手県……、という風に並んでいたら不便極まりないでしょう。
実際、そういった企業のサイトではLocationによる分類が多く見られます。
<例>
地図、施設案内、
Alphabet(アルファベット)
「アルファベット順・五十音順」によってデータ・情報を分類・整理する方法です。
A~Z、あ~ん、の順番で並べていくので、高い検索性を誇る分類法になっています。
よく見るのは本の索引でしょう。
辞書もそうですが、ネットの発達で最近では使う人が少なくなっているかもしれません。
<例>
本の索引、辞書、
Time(時間)
「時間軸」によってデータ・情報を分類・整理する方法です。
歴史年表や時刻表のような明確な年・日・時・分で整理する方法が代表的です。
レシピやタイムスケジュールなどのような「所要時間」で整理するタイプもあります。
<例>
年表、時刻表、タイムテーブル、プロセス指示書、ブログ記事
Category(カテゴリー)
「カテゴリー」によってデータ・情報を分類・整理する方法です。
何らかの属性によって分類するやり方で、LATCHの他4つの分類法以外が当てはまると考えてもいいでしょう。
<例>
図書館分類(NDC)、商品陳列、動物園、
Hierarchy(序列)
「数量、重要度」によってデータ・情報を分類・整理する方法です。
単純に身長や重さもこの分類法に当てはまりますし、ランキングもこのパターンです。
<例>
ランキング、身長順、
LATCHの使い分け
LATCHのそれぞれの意味については把握できたでしょうか?
ここからはLATCHをどのように使い分ければ良いのか、について考えていきます。
まずLATCHそれぞれの性質をまとめてみましょう。
機械的な分類と恣意的な分類
アルファベットや序列で分類・整理する場合、自由度はあまりありません。
そのため機械的な並べ方になりがちです。
逆にカテゴリーや場所・時間で分類・整理する場合、ある程度の自由度が出てきます。
特にカテゴリーの場合、どのような属性に着目しどのようなカテゴリーを準備するかは情報の編集者次第です。
結果、恣意的な並べ方になりやすくなります。
機械的な分類は高い検索性、もしくは発見性を与えます。
アルファベット順(五十音順)が検索性に優れているのはわかるでしょう。
また序列による整理は、整理する前には気が付かなかったような発見が出てくるかもしれません。
恣意的な分類は、高いメッセージ性を持ちます。
情報の利用者に対して、一定の行動をとってもらいたい場合はこちらの分類の方が良いでしょう。
LATCHでデータや情報を分類・整理しよう
今回はデータや情報を分類・整理するための5つの観点「LATCH」についてお伝えしました。
状況に応じて最適な分類や整理ができる能力は、さまざまな文脈で活きてきます。
LATCHを使いこなせるようになりましょう。
身の回りの情報からLATCHを見つけ出そう