【書評】『シャーロック・ホームズの思考術』| あの名探偵の思考を解剖する!

【書評】『シャーロック・ホームズの思考術』| あの名探偵の思考を解剖する!

『シャーロック・ホームズの思考術』

今回紹介するのは、『シャーロック・ホームズの思考術』。

心理学博士であるマリア・コニコヴァによって著された本書は、ニューヨーク・タイムズ紙のべストセラーとなり、世界中で訳書が発売されています。

タイトルからわかると思いますが、そのテーマはあの名探偵、シャーロック・ホームズ。
19世紀後半のイギリスでアーサー・コナン・ドイルによって生み出された1人の探偵は、現在でも数多の推理小説の頂点に君臨しています。

その「思考術」です。
かの探偵は、一体どのようにして、あの名推理の数々を実行したのか。
著者、マリア・コニコヴァが心理学の観点から、ホームズの思考の秘密に迫ります。

 

 

『シャーロック・ホームズの思考術』がおすすめな人は?

1.シャーロック・ホームズのファン

これはもう当然ですね。
本書の中では、ホームズのさまざまな名場面も引用されているので、ファンの方はニヤニヤしながら、また驚きながら読み進めることができると思います。

2.心理学に興味はあるけど、いきなり専門書とかは読みたくない人

本書は心理学の見地のもと書かれていますが、難しい研究内容などが解説されているわけではありません。
「心理学を学ぶとこんなことも考えられるのか」と思える1冊です。

3.自分の思考力や集中力に不満を持っている人

本書はホームズの思考術の解剖書です。
ホームズの思考術なのです。

『シャーロック・ホームズの思考術』の主な内容

<キーワード>
マインドフルネス、マインドレスネス、積極的関与、バイアス、“屋根裏部屋”、注意力、観察、創造性と想像力、ストーリーテリング、自信過剰

注意力の選択

人の注意力(リソース)は限られています。
したがって私たちは「選択的注意」を行っているのです。

ホームズの《観察》における注意力の使い方。
本書では、その在り方を解説しています。

さまざまなバイアス

私たちは様々なバイアス(先入観、偏見)を持っています。
ホームズの推理においてそのようなバイアスは邪魔者でしかありません。

ホームズの思考術を学ぶということは、バイアスを確実に認識する、ということなのです。

ホームズの思考術

1.自分を知る-そして自分の周囲の状況も知る
2.観察する-注意深く、また思慮深く
3.想像する-必要だと思わなくてもスペースの確保を忘れずに
4.推理する-観察したものからのみ推理し、それ以外のものからはしない
5.学習する-成功から学ぶように、失敗からも学ぶ

ホームズの思考術は犯罪の推理だけにしか使えないようなものではありません。

上に示した手順を見れば、他にも応用できそうだと気が付くことでしょう。

『シャーロック・ホームズの思考術』の読み方

本書は非常に面白い本であると同時に、とても読み応えのある本です。
1ページ1ページに内容が詰まっており、読書に慣れていない人は読むのに結構な時間がかかるかもしれません。

しかし、その分確実に力になる本です。
1周目ではよくわからなかったことも、2周3周と読んでいくうちに馴染んでくることでしょう。

気が付けばあなたも、両手の指先を合わせて思考に耽っているかもしれません。

 

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