今回はおすすめの本について書きます。
『パフォーマンスがわかる12の理論』
今回紹介するのは『パフォーマンスがわかる12の理論‐「クリエイティブに生きるための心理学」入門!』です。
学習意欲を中心に、教育心理学の分野で活躍する鹿毛雅治氏を編者として、14人の学者たちがそれぞれの分野からパフォーマンスを高めるための12の理論が紹介されています。
『パフォーマンスがわかる12の理論』がおすすめな人は?
1.心理学を学んでみたい人
本書は、心理学の理論と現実世界で起きることの関係をわかりやすく示しているので、「心理学って役に立つのかな?」という疑問のある人にはぜひ読んでほしい1冊です。
また、各章の最後には、もっと学びたい人向けにおすすめの書籍が掲載されています。
気に入る分野が見つかったら、すぐに本格的な学習に取り掛かれるのです。
2.自分のパフォーマンスに悩んでいる人
本書は、パフォーマンスを多角的な視点から見つめています。
自分のパフォーマンスをどうしたらいいか困っている人、よりスキルアップしたい人、すごい自分を夢見ている人は、この本を読むことで何らかの気付きが得られるかもしれません。
3.誰かを教える立場にある人
先生やコーチ、また部下を持つ上司の方にもおすすめです。
本書で示されている内容は、どれも行動者や学習者にとって大事なこと。
その内容と理論を知ることで、あなたの生徒や部下を助けることができる、と思います
『パフォーマンスがわかる12の理論』の主な内容
<キーワード>
モティベーション、思考/メタ認知、感情、学習、記憶、意識、自己調整学習、潜在意識、ストレスマネジメント、行動分析学、アフォーダンス、生態学的アプローチ、コミュニケーション、リーダーシップ
パフォーマンスは、心理学的にどのような意味を持つのか。
どのような認知プロセスの基、私たちはパフォーマンスを生み出すのか。
そしてパフォーマンスを高めるためにはどのようにしたらいいのか。
本書『パフォーマンスがわかる12の理論』は、これらのことについて12の視点から、それぞれの分野の専門家が述べています。
少しだけ、内容を紹介してみましょう。
モティベーションとパフォーマンス
モティベーション(モチベーション)は、パフォーマンスに関係ありそうですよね。
でも、モティベーションの実体や、その生成プロセスなんかは知らないものです。
Theory1では、「期待理論」や「価値理論」を中心に、モティベーションに関する基本をとっつきやすい形で紹介してくれています。
練習や勉強の仕方とパフォーマンス
練習でできたことが本番ではできなかった……。
そんな経験はお持ちでしょうか?
Theory4では、そんな悲劇を防ぐための「分散学習」や「適切なフィードバック」についてまとめられています。
パフォーマンスと学習の関係性、押さえておきましょう。
集団とパフォーマンス
他者との協力することで、私たちは高いパフォーマンスを発揮することがあります。
でも、協同が逆に悪い結果を生んでしまうことがあるのも、知っていますよね?
Theory 11では、そのような集団におけるパフォーマンスについて、良い部分・悪い部分がまとめられています。
有名な学習法「ジグソー法」についても詳しく書いてあるので、授業に困っている先生方は必見です。
『パフォーマンスがわかる12の理論』の読み方
本書は比較的読みやすい本だと思います。
先に知っておくべき専門知識もなく、関連書も紹介されているので、入門者には最適です。
また、各章でテーマはバラバラで連続性はないため、目次を見て気になるテーマから読み進めるといいでしょう。
構成も理解しやすいようになっているので、誰かに教えるとき、そのまま使えるはずです。