本の感想と評価を並べながら基本絶賛するシリーズ
2019年5月22日、LearnTernで新しいシリーズが始まりました。
その名も『本の感想と評価を並べながら基本絶賛するシリーズ』(ランタン本シリーズ)。
長いタイトルの通り、本の感想と評価を並べながら基本絶賛します。
紹介する本の種類としては、ストレートに学習に役立つ本や認知心理学の本というより、「新しい扉が開いた!」みたいな本が中心です。
最低でも月に1回、できれば二週間に1回、あと気分が高まった時に更新するシリーズです。
Twitterで感想とか言ってくれたら嬉しくなります。
(→#ランタン本)(→Akiのアカウント)
記事によっては勢い余る絶賛もあるかもなので、その辺自己判断で参考にしてください。
では行きます。
『一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書』の感想と評価
さて<ランタン本>シリーズ第二弾、今回紹介するのはムンディ先生こと山崎圭一さんの『一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書』です。
ムンディ先生は高校で教師をしながら、YouTubeにて世界史や日本史、地理の授業動画を投稿されている方です。
そのムンディ先生が、「複雑さ」「覚えにくさ」に定評のある世界史をわかりやすーくまとめたのが『一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書』になります。
『一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書』の感想
「世界史勉強し直そうかなー」と思っていた私の眼に飛び込んできた1冊の本。
薄い青色の表紙のそれはまあまあの分厚さ。
手に取り、数ページめくってみる。
――「え、絶対わかりやすいやん……!」
これが私が『一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書』に抱いた最初の感想です。
わかりやすい。
そして興味を持ち続けられる。
世界史って面白いところもあれば、あまり興味ない所もありますよね。
でも『一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書』では常に面白さを感じることができました。
この辺なぜなのかはこれから分析していきますね。
『一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書』の評価ポイント
私は高校で世界史を選択していました。教科書は山川のあれ。
その頃にはすでに教科書というものに慣れていましたし、特別不自由さは感じませんでした。
しかし「世界史ってもっと面白くなれそうなのに」と思ったのを覚えています。
世界史を面白くするためのアプローチって大きく2つに分けられると思っています。
一つはミクロなアプローチ。
一人とか一つの時代にフォーカスして、ストーリーを掘っていく学び方。
もう一つはマクロなアプローチ。
世界全体の歴史を俯瞰することによって得られる新たな気づきに焦点を当てる学び方。
『一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書』はどちらかというと後者、マクロなアプローチをとっています。
サラッと世界史の一連の流れを学びながら、本質とか勉強できます。
そしてこのマクロなアプローチに重要なのは「繋がり」をどう描くか。
それぞれの歴史がバラバラだと、このマクロな面白さは得られません。
それをきっちりと突破しているのが『一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書』です。
というわけで『一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書』の評価ポイント2つ。
① わかりやすくするための3つの工夫
② 「サラッと学べるけど浅くない」の仕掛け
わかりやすくするための3つの工夫|『一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書』の評価ポイント①
ムンディ先生は、世界史という分野がなぜわかりにくいのかを分析しました。
その答えは「複雑さ」。
日本史と違い、世界史はいろいろな地域に視点を飛ばしながら進めていきます。時代も戻ったり進んだりしますよね。それぞれ背景とする文化も違います。
この点を突破するため、ムンディ先生は一般的な世界史の教科書構成を分解、わかりやすい一本のストーリーとして捉えられるように構成し直しました。
それに加えていくつかの工夫が入っています。
基本的な工夫は以下の3つ。
① すべてを数珠つなぎにして「1つのストーリー」にしている
② 「主語」が変わるのを最小限におさえている
③ 年号を使わない
これらの工夫によって、『一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書』の読者は混乱すること無く、世界史の流れを理解していけるのです。
「サラッと学べるけど浅くない」の仕掛け|『一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書』の評価ポイント②
「でもわかりやすくした結果、内容が浅くなっているんじゃ?」
そんな風に思う人もいるかもしれません。
でも大丈夫です。
『一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書』はサラッと世界史の流れを学べますが、内容は十分に深いです。
なぜか。
――時代や地域ごとの本質を教えてくれるから、です。
普通の教科書だと、それぞれ具体的な事実だけを提示していきますよね。
しかしミクロなストーリーが展開されているわけでもない。
そしてマクロな面白さを得るためには「抽象化」が必要です。
「この時代は……だった」「この地域には……の特徴が見られる」みたいなやつです。
『一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書』の各章の最初には「概説」と「見取り図」が載っています。
「見取り図」はその歴史の流れをカンタンな図にしたものですね。
そして「概説」。
こちらにはその歴史の本質が書かれています。
例えば、「第1章 ヨーロッパの歴史」であれば、「多様」と「統一」について。
「第4章 中国の歴史」であれば、「皇帝の人間性」について。
この概説を頭において内容を読んでいくことで、具体的な知識と同時に抽象的な理解も深まっていく構成になっています。
これは「先行オーガナイザー」的にもVery Good!ですね。
――だから絶対に読み飛ばすなよ!笑
『一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書』で世界史を学び始めよう
世界史を初めて学ぶ人、学び直したい人。
ぜひ『一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書』から始めてみてください。
学習効率は驚くほど変わってくると思います。
特に高校生のみんな。
クラスでドヤ顔したかったら買って読み込もう!
こんな最高の本を書いてくれたムンディ先生にも感謝です。