本の感想と評価を並べながら基本絶賛するシリーズ
2019年5月22日、LearnTernで新しいシリーズが始まりました。
その名も『本の感想と評価を並べながら基本絶賛するシリーズ』(ランタン本シリーズ)。
長いタイトルの通り、本の感想と評価を並べながら基本絶賛します。
紹介する本の種類としては、ストレートに学習に役立つ本や認知心理学の本というより、「新しい扉が開いた!」みたいな本が中心です。
最低でも月に1回、できれば二週間に1回、あと気分が高まった時に更新するシリーズです。
Twitterで感想とか言ってくれたら嬉しくなります。
(→#ランタン本)(→Akiのアカウント)
記事によっては勢い余る絶賛もあるかもなので、その辺自己判断で参考にしてください。
では行きます。
『思考・論理・分析』の感想と評価
<ランタン本>シリーズ第三弾、紹介するのは波頭亮さんの『思考・論理・分析 「正しく考え、正しく分かること」の理論と実践』です。
2004年に初版が出版され、今日に至るまで売れ続けている確かな一冊になります。
堅苦しそうでシンプルなタイトルが示すとおり、本文も堅苦しそうです。そして内容は素晴らしくシンプルです。
もうここからの感想と評価はどうでもいいからとりあえず読んでほしい。
『思考・論理・分析』の感想
「思考」とか「論理」とかって、なんとなく意味はわかるけど輪郭はぼやけたままじゃないですか?
論理的に話せとか言われて「A→B」くらいはわかるけど、そもそも論理ってなんで必要なのか、推論はどうやって進めればいいとか、割とテキトーにやっていた時期がありました。
そんなとき、大学図書館で出会ったのが『思考・論理・分析』。
シンプルなタイトルと表紙に惹かれ、とりあえずパラパラとページを繰ります。
――飛び込んでくる見出しと図の魅力に圧倒され、私は即座に読むことを決めました。
読了後すぐに購入を決意。一生そばに置いておきたい本の一冊です。
『思考・論理・分析』の評価ポイント
『思考・論理・分析』はタイトルの通り、3つのパートに分かれています。
――第Ⅰ章、「思考」。
思考の定義や「分かる」ことの意味、その他、普通に生きていたら出会いにくいエッセンスがずらずらーと並んでいます。
正直、このパートを読むだけで十分な価値が感じられるはずです。
――第Ⅱ章、「論理」。
論理の解説、論理展開の方法論が説かれています。
中でも「推論の価値」に関する記述は必見。ここだけでも先に読んでほしいです(前を読んでないと価値半減だけど)。
――第Ⅲ章、「分析」。
ここまで積み上げてきた「思考」と「論理」を実践に活かすための「分析」を学びます。
ビジネスパーソンなら理解しておきたい内容です。若手でこの内容を定着させておけば、絶対に役立ちます。
で、『思考・論理・分析』の私的評価ポイント2つです。
① 抽象的概念をシンプルに説明している
② 読者をナメていない表現
抽象的概念をシンプルに説明している|『思考・論理・分析』の評価ポイント①
「思考」や「論理」はきわめて抽象的な概念と言えます。
ゆえにその輪郭をぼやけたままで理解していることでしょう。
『思考・論理・分析』はその抽象概念をバッサリと切り、シンプルに説明します。
センスのある人なら、見出しと図をサラッと見ただけでわかるかもしれない。
「このレベルで抽象概念をシンプルかつ濃厚に表現するにはどうすればいいか」という観点からもう一度読んでみるのも面白いはずです。
読者をナメていない表現|『思考・論理・分析』の評価ポイント②
『思考・論理・分析』は書店で平積みされている「よくあるビジネス書」とは一線を画します。
まず、文章は柔らかくないです。
読者にクッションを渡そうという気が一切なく、無駄な文は一文もありません。
人によっては、読むのに時間がかかるかもしれません。
用語もバシバシ登場してきます。もちろん説明はありますが。
けれど、これは「読者をナメていない」真摯な表現なのだと思います。
タイトルから考えて、この本はまだ「思考・論理・分析」などの基礎が出来ていない人がターゲット。それにも関わらず、柔らかくない。私はこの姿勢に、逆に好感を覚えました。
勘違いしてほしくないのですが、けして難解な本ではありません。
明快な論理展開と、豊富な図があなたの理解を助けてくれるはずです。
『思考・論理・分析』で強固な土台(基礎)を身に着けよう
これからの社会、マインドスキルは非常に重要になってくるでしょう。
「思考・論理・分析」はすべてのマインドスキルの基礎となる要素。
ぼやけた輪郭をくっきりとさせ、これからの土台を構築してみませんか?