今回のLearnTernでは「『なぜ?』を学習で使う意味」を考えていきたいと思います。
誰もが使ったことのある問い「なぜ?」を学習で活用するにはどうすればいいでしょうか?
サラッと読んでみてください。
「なぜ?」を問いかけていますか?
学習するとき、「なぜ?」と自分に問いかけていますか?
問いかけていない人は多いと思います。面倒ですしね。
とりあえずテキストを読んで、理解して、記憶すればいいにも関わらず、どうしてカロリーの上がりそうな質問を使わなければならないのか。そう思うかもしれません。
しかしながら学習において「なぜ?」と問いかけることには多大なメリットがあります。
特に、テキストを読んだり見本を真似するだけで、「イマイチ理解が進んでいないな」という人は「なぜ?」の使い方を学んみてください。
学習における「なぜ?」の効果
難しい「なぜ?」
余裕で答えられる「なぜ?」の効果は低いです。検索練習にはなるので十分に効果はあるかもしれませんが、基本的に答えるのに苦労する・答えられない「なぜ?」の方が学習に深みと広がりを生んでくれます。
「知らないこと」を問われたとき、「なぜ?」のレベルは一気に上がります。
あなたの前には子どもがいます。
「なぜお父さんとお母さんは結婚したの?」には簡単に(?)答えられるかもしれません。
「なぜスマホで遠くの人と会話できるの?」にあっさり答えられるでしょうか?
知っていそうで知らないことはたくさんあります。
そして大抵の場合、私たちは「知らない」ことに対して無自覚です。(→「スコトーマ」)
「なぜ?」を問わなかった場合、私たちはテキストの表面に書いてあることしか理解できないし、記憶できません。
テキストの作成者とは前提となる知識レベルや文脈が異なります。
表面には書いていないことがいっぱいあるのです。
つまり「なぜ?」という自問によって学習に深みと広がりを与えなければ、十分な学習を行うことはできません。
学習の深みと広がり
「なぜ?」は自分が何を知っているか、何を知らないかを明らかにしてくれます。
知らないことを調べていけば、知識は精緻化されていき、理解・記憶の双方にとても良い影響を与えるでしょう。
「なぜ?」は私たちの学習に深みと広がりを生んでくれるのです。
「なぜ?」で学ぶ技術
知的好奇心と「なぜ?」
以前、「知的好奇心を学習に利用する」記事で「ズレ」との付き合い方を提示しました。
① 「ズレ」をつくる(意識する)
② 「ズレ」を埋める
「なぜ?」を問うのは、「ズレ」をつくるプロセスになります。
自分の理解の外にあるターゲットの輪郭を感じるのです。
そして次、その「ズレ」を埋めましょう。
埋めなければ「なぜ?」の効用は半分以下担ってしまいます。
ファインマンテクニックと「なぜ?」
「なぜ?」を擬似的に問いかけ続ける手法として「ファインマンテクニック」を利用してみても良いかもしれません。
相手を小学生だと仮定し、学んだ内容を説明する。
当然そのまま話しても理解できないので、小学生は「なんで?」と問いかけてきます。
その質問のすべてに答えられるようになれば、あなたの知識体系は相当に強化されていることでしょう。
..検索練習と「なぜ?」
さっきもチラッと言いましたが、「なぜ?」は検索練習を促します。
知らないことに対する「なぜ?」をメインで取り上げましたが、それだけでなく「知っているはずのこと」に対する「なぜ?」も理解と記憶を促進します。
学習のあと、教材を閉じて可能な限りの「なぜ?」を問いかけてみてください。
きっとあなたの学習の質がグングン上がります。
学習に深みと広がりを
「なぜ?」を問うことが、学習にどのようなメリットをもたらすのかを紹介しました。
でも私は知っています。
きっとこの記事を読んだ人の中で、この面倒な「なぜ?」を実際に学習に応用する人は少ないでしょう。
――だから未来のエジソンたち。
――あなた達は優越感に浸りながら「なぜ?」を使っておけばいいと思います。
あなたの学習に深みと広がりをもたらす「なぜ?」を。
「なぜ?」を使ってみよう