今回のLearnTernでは「学習対象を3つに分けること」を紹介します。
これから学習する対象が何タイプなのかを把握することで、より適切な学習法を選択するための大事な知識です。
・いつも同じように学習している
・学習前の準備、何したらかいいかわからない
そんな人はゴリゴリ読んでください。
学習を始める前に「3つ」に仕分けよう
何事も準備が大切です。
もちろん学習でもそう。
いろいろな準備があるなかで、今日は「学習対象のタイプ把握」を行っていきます。
これから学習する、もしくは現在学習している対象をイメージしてみてください。
(自分の状況に置き換えながら読み進めてみて)
今回は学習対象を「3つ」に仕分けながらタイプ把握をしていきます。
実は学習対象のタイプによって、適切な学習法・戦略は変わってくるのです。
古文単語を覚えるのと、テニスのサーブを鍛えるのではまったく戦略が違いそうですよね。
だから、事前のタイプ把握が大事なのです。
「概念」「事実」「行動」
仕分ける「3つ」はこちら。
「概念」:理解するもの
「事実」:覚えるもの
「行動」:練習するもの
*『超・自習法 ULTRA LEARNING』著者、スコット・H・ヤングによる分類です。
汎用的な学習に関する9つのメソッドが事例付きで述べられている本なので、より詳しく学びたい方はぜひ。
それぞれ詳しくはあとで説明します。
まずは学習準備の手順について。
<学習対象のタイプ把握>
① 学習対象のトピックをリスト化する
② リストを「3つ」に仕分けていく
③ 「3つ」のうち、どれに焦点を当てた学習が重要になるか判断する
まずは、学習対象をリスト化していきます。
そこまで細かくなくて大丈夫ですが、リストの粒度(細かさの度合い)はなるべく揃えましょう。
このとき、それぞれのトピックの大変さをなんとなくイメージしておきましょう。
次は並べたトピックを「概念」「事実」「行動」に仕分けていきます(基準は後で説明)。
単語暗記は「事実」、発音は「行動」……みたいな感じですね。
仕分けが終わったら、学習法・戦略を考えます。
「概念」「事実」「行動」のうち、今回の学習対象はどこのウェイト・影響度が大きいかを判断してみてください。(各タイプに合った学習法については最後に紹介します)
以上が「学習対象のタイプ把握」の基本手順です。
「概念」とは
「概念」は覚えるだけではダメで、深く理解する必要のあるものです。
活用するためには、そのままのカタチではなく柔軟に使っていく必要があります。
例えば、数学の解法。
なぜその解法が使えるのか理解していなければ、テストでは使えません。
同じように各分野の根本原理などは「概念」に当てはまります。
「事実」とは
「事実」は深く理解する必要はなく、覚えるだけでいいものです。
適切な状況で思い出せれば活用できます。
例えば単語。
一般の話者は「apple」が「りんご」であることがわかれば十分でしょう。
詳細な語の背景などを理解する必要はありません。
……「一般の」と言いました。
もし言語学を学ぶ場合は、各単語のコンセプトを理解する必要が出てくるかもしれません。
学習目標によっては、同じように見えるトピックが別カテゴリに仕分けられることもあります。
「行動」とは
「行動」は練習によって体得する必要があるものです。
理解していても、記憶していても、実践できなければ意味がありません。
身体的なものに限らず、認知的なもの(頭をつかうもの)も当てはまります。
例えば、英語の発音、テニスのサーブ、計算などがあるでしょう。
「概念」にも「事実」にも仕分けられないと思ったら「行動」かもしれません。考えてみましょう。
学習対象の性質に合った学習法をつかう
リストの仕分けが終わったら、「概念」「事実」「行動」のうち、どのウェイトが大きいか、学習目標を達成する上で一番の障害になりそうなものはどれか、把握していきましょう。
「概念」重視型であれば、理解の方法が重要になります。
たとえば、「ファインマン・テクニック」や「理解するための7つの方法」などを活用した戦略をつくりましょう。
「事実」重視型であれば、記憶のシステムが重要になります。
「分散学習」の準備、「テスト効果」の活用などを戦略に組み込みましょう。
「行動」重視型であれば、練習効率を上げるのが重要です。
基本的にはフィードバックを受けられる環境を整えましょう。
また「オフライン・メタ認知(予測と反省)」を意識して実行したいです。
学習前の準備をしよう
何事も準備が大事。
学習前の準備は他にもありますが、とりあえず「学習対象のタイプ把握」をやってみましょう。
もしかしたら、まったく合わない学習法・戦略を使ってしまっているかもしれません。努力と情熱がもったいないです。
一流の学習者は、準備もしっかりやります。
今、学んでいる内容を「概念」「事実」「行動」に仕分けてみよう