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【必見】プライミング効果を学習に活用する3つのコツ【潜在記憶をハックせよ】

【必見】プライミング効果を学習に活用する3つのコツ【潜在記憶をハックせよ】

今回のLearnTernでは「プライミング(効果)」を紹介します。
プライミングは無意識に記憶したものが、あとの思考や学習に影響する現象です。
記憶の分類も絡めつつ、詳しく解説していきます。

後半ではプライミングを学習に利用する方法も考えてみましょう。

それ、プライミングかも?

プライミングは基本的に意識できないため、プライミング効果が発生していてもわかりません。

でも、おそらく全ての人がプライミングを経験しています。

休み時間に友達との会話の中で出た「単語」が授業中に出て反応してしまったり。
行きつけの店で、別に覚えているわけではないのに親しみを感じてしまう店員さんがいたり。

まあ意識できていたらプライミング記憶ではなく、エピソード記憶になってしまうので例を挙げるのは難しいです。

というわけで理論へ進みましょう。

プライミングとは

プライミングとは「先行刺激(プライム)」が「後続刺激(ターゲット)」の処理プロセスに影響を与える現象です。

あらかじめ「リンゴ」という文字を見ていた人が、「ナシ」「リンゴ」「ミカン」「バナナ」と書かれたカードを見た時に、「リンゴ」に対してだけ少し強く反応してしまう。

これがプライミング効果です。
厳密には「先にリンゴという文字を見ていた場合」と「見ていなかった場合」の反応までのギャップのことを「プライミング効果」と言います。

プライミングは無意識化で起こっていることなので学習者としては実感しにくいですが、記憶研究では大きな分野の一つです。
記憶の分類と絡めながら見ていきましょう。

プライミングと潜在記憶・顕在記憶

潜在記憶と顕在記憶

プライミング以前、記憶の研究といえば「顕在記憶」、つまり意識できている記憶についてのものでした。

しかしプライミングの登場してから「顕在記憶と潜在記憶」という区分が生まれます。
Tulvingの「複数記憶システム」が有名です。

「エピソード記憶」と「意味記憶」については以前に解説しました。

ざっくり言えば、エピソード記憶は具体的な思い出、意味記憶は抽象的な知識です。
エピソード記憶から情報がカットされて(最適化されて)、意味記憶へと変化していきます。

「知覚表象システム」は感覚・知覚レベルで使われる記憶で、主に対象を認識する時に使います。例えば「今、信号は青である」という記憶ですね。

「手続記憶」は身体の動かし方や認知技能についての記憶です。スポーツだったり暗算だったり、スキル的な記憶が当てはまります

手続記憶オンリーでは言語化できません。他人に教える場合は意味記憶も必要です。

この4つのうち、顕在記憶はエピソード記憶だけです。
残りの3つは潜在記憶になります。

つまるところ、潜在記憶とは「自身の経験を思い出そうと意識することなく、日々の思考や行動に影響を与えている記憶」のことです。

プライミングと潜在記憶

プライミングは潜在記憶(知覚表象システム←覚えなくていい)に当たります。

「リンゴ」という文字を見たことをエピソードとして思い出すかどうかは関係ないからです。

普段、自分の反応スピードの違いについて意識することは少ないと思います。
実は同じような事物に対しても、バラバラの反応スピードだったりするんですね。

いつもより速く文章が読めたり、遠くから人の顔を判別できたり、覚えやすい単語があったり。
逆に遅くなったり覚えにくかったりすることもあります。

この裏にはプライミングが潜んでいるのです。

実はその文章に関係する話を聞いていたとか、その人に以前会っていたとか、その単語に関係する単語を見ていたとか。

面白くないですか?
まあ意識することは難しいのですが。

プライミングの種類

学習法に入る前にもう一つだけ、理論のお勉強です。
「興味ない」という人はとばしてください。

プライミングにはいくつかの種類があります。

「直接プライミング」は先行刺激(プライム)と後続刺激(ターゲット)が同一であるパターンです。
例えば「リンゴ」を見てから「リンゴ」のカードを見るパターンですね。

「間接プライミング」は先行刺激と後続刺激が異なるパターンです。
例えば「赤い」を見てから「リンゴ」を見るパターンになります。

また「直接プライミング」はさらに「知覚的プライミング」と「概念的プライミング」に分かれます。

知覚的プライミングは、「リンゴ」という文字を見て「リンゴ」という文字に反応するパターンです。知覚的処理の話なので、その文字の形や色が影響を与えてきます。

概念的プライミングは、「リンゴ」という文字を見たあと、「赤い」という言葉から「リンゴ」を連想するようなパターンです。知覚的プライミングに比べて、リンゴの意味が重要になってきます。

プライミングを学習に活用するコツ

最後に「プライミングを学習に活用するコツ」を考えてみます。

「無意識のものを活用する?」と思う人もいるかも知れませんが、無意識だからこそいろいろなコツを使うことで活用できたりするのです。

プライミングの活用① これから学習するところに関するコンテンツを消費する

例えば、これから化学を学習するならそれに関するYoutubeを観るなどして、関連ワードや考え方、ビジュアルを知覚しておきましょう。

別に必ずしも内容を理解する必要はなくて、なんとなく眺めておくだけでも学習時の反応を支援してくれたりします。

スマホを使えばいろいろなコンテンツにアクセスできるので、5分だけとか時間を決めて取り組んでみるのはオススメです。

■ サラッと予習する

学習前に、サラッとテキストを読んでおくだけでも効果があります。読書前にサラッと読むのもありですね。
単語や見出しをなんとなく見ておくことが、プライミング効果を促進して、本学習時のストレスを軽減します。

プライミングの活用② 日頃から学習対象に触れられるようにする

英語を学んでいるなら、家のいろいろなところに英単語を貼っておいたり、スマホの表示を英語にしたり、英語学習系のTwitterアカウントをフォローしたり。

これは「単純接触効果」も促進できるので、「苦手→好き(?)」の変化も期待できるかもしれません。

とにかく、普段から関連ワードやビジュアルに触れられるようにしておきましょう。
特に独学者にオススメの環境デザインです。

プライミングの活用③ 毎回「基本」を確認する(超・オススメ!)

最後の活用法。これはめちゃくちゃオススメです。

学習を始めるたびに、毎回「基本」を確認しましょう。
「基本」というのはキーワードだったり、図式だったり、解法だったり、代表事例だったり、いろいろあります。

「基本」は、よく出てくるからこその「基本」です。
それらに対する認知的処理を軽くすることが、学習のストレス軽減に繋がります。

もちろん、記憶の定着にも効果バツグンです。

ぶっちゃけ、③だけやっておけばいいかもしれません。

以上、プライミングを学習に活用する方法を3つ考えてみました。
「教える側」にも応用できるので、あなたの状況に応じて試してみてください。

プライミングを意識する?

プライミングは無意識下で起こるものなので、意識できません。
けれどその存在を認識することはできるし、プライミングが学習にいい影響を与えるように誘導することはできます。

無意識のチカラを学習に利用できたら、すごいと思いませんか?

やってみましょう。

 

プライミングの活用①~③のどれかを実践しよう

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