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【SKILL】決めたことをやり切るために「6つの行動制御方略」を習得しよう【Kuhl-行動制御理論】

【SKILL】決めたことをやり切るために「6つの行動制御方略」を習得しよう【Kuhl-行動制御理論】

今回のLearnTernでは「行動制御方略」を紹介します。
「やろうと思ったこと」を本当にやり切るための6つのスキル(ルール)です。

怠惰で臆病な自分に疲れた人、読んでみてください。

意志を保てない、あなたに

「今月末までにRubyを勉強する!」
「今年は英語で会話できるようになる!」

そんな学習目標を立て、計画をたてる。
計画をシーンはまるで映画の主人公のようにテンションの上がっているあなた。

しかしいざ現実に戻れば、そこには数多の誘惑や障害。
自分に言い訳をして、あなたはエンドロールから自分の名前を削除してしまいます。

この記事は、「そんな自分はもう嫌だ」という人に向けて書くものです。

私たちの意図を妨げる数多の障害
目標を決めても、迫りくるにやられてしまう。

このような悩みは多くの人が共有しているものです。
つまり当然のように、研究している人々がいます。

さまざまな理論が提唱されていますが、今回紹介するのは「行動制御方略」

迫りくる障害に立ち向かう方法を6種類に分類したものです。

Kuhlの行動制御方略とは

「行動制御方略(action control strategy)」Kuhl(1985, 1987)によって提唱されたものです。

自分がある目標を決めたとき、どのように障害を避けてその課題をやり遂げるか。

そのための作戦を6種類の原理で分類しています。

あとでガッカリしてしまわないように、先に言っておきます。
行動制御方略を学んだからと言って、即、新たな自分に生まれ変われるわけではありません。

変化にはエネルギーが必要で、時間も必要です。
ライザップのCMでは回転しているだけですが、その裏で必死に「結果にコミット」しているのです。

今回紹介する行動制御方略は、いわば「視点」。チェックリストみたいなものになります。

目標を達成するために、自分が採用できる方法はないか。
それを探るための原理だと思ってください。

6つの行動制御方略

では、6つの行動制御方略を順番に紹介していきます。
名前は難しそうですが、内容は以外とシンプルです。

行動制御方略① 選択的注意

一つ目は「選択的注意」
「注意」系の理論、デザイン認知心理学をかじったことのある人なら聞き覚えのあるワードかもしれません。意味は一緒です。

私たちは日々、大量の情報に触れて生きています。
しかしその全てを情報として処理していては大変です。

私たちはその情報の大河から、自分に関係のあること、興味のあることだけを抽出して取得しています。これが「選択的注意」です。

行動制御方略における選択的注意とは、自分の目標に関係する情報以外を避けること。少なくとも積極的に情報を得に行こうとしないことです。

そう考えるとSNSはけっこう敵です。
目標に関係する人ばかりフォローしていればマシなので、上手く使いましょう。

行動制御方略② 記号化制御

二つ目の「記号化制御」は選択的注意と似ています。

記号化(符号化)は記憶の最初のプロセスです。
私たちは情報をそのまま保存しているのではなく、保存しやすい形に変えて保存しようとします。

この加工作業を「符号化」と呼びます。ここでは記号化ですね。一緒です。

今回は「目標と関係のある情報だけを記号化して他は無視しましょうね」みたいなルールです。
ちょっとわかりにくいので、私なりの解釈をします。

認知的資源(リソース)というものがあって、私たちは限られたそのリソースを見る・聴く・記憶する・理解する・考察するなどのプロセスに振り分けています。

符号化は「ただ見る」のに比べて多くのリソースを必要とするプロセスです。

目標と関係のある情報の符号化にリソースを多く割くことによって、目標を阻害する情報を処理するリソースを残さないようにする。

そう考えると、わかりやすいと思います。

ダイエット中に美味しそうな牛丼の看板を見つけたら、(美味しそうであるという情報ではなく)その牛丼の栄養計算と記憶に全リソースを注入するイメージです。

行動制御方略③ 感情制御

3つ目は「感情制御」です。内容はシンプルですが、たぶんめっちゃムズいです。

感情をフラットにしろというわけではありません。

目標達成を支援してくれる感情、熱意や悔しさなどは許容します。
一方で、目標達成を阻害する感情である誘惑などは抑圧します。

「そんなんできるんやったら、とっくにやっとるわ」

私もそう思いますが、実際にやろうとしているかを詰問されたらどうでしょう?
本当に、目標を阻害する感情を制御しようとしていますか? 八百長みたいなことになっていませんか?

とりあえず座禅しときましょう。

行動制御方略④ 動機づけ制御

4つ目は「動機づけ制御」です。

そもそもなぜ自分がその目標を持ったのか、なぜ達成しなければならないのか。
何のために苦しい思いをするのか。

動機づけ、モチベーションの源泉をもう一度、確認し、強化しておきましょう。

「学習動機の二要因モデル」「期待×価値理論」が役立つかもしれません。

私としては最も重要で、意外と皆やっていないのでインパクトも大きい方略だと思います。チームマネジメントにおいても有効です。

行動制御方略⑤ 環境制御

5つ目は「環境制御」

目標を邪魔せず支援してくれる環境をつくりなさい、ということです。

例えば、机や部屋から今の目標に関係のないものを片付ける。選択的注意を支援する環境づくりですね。

またよく言われる「他人への宣言」も環境制御の一つです。
引くに引けない状況に自分を追い込むのです。

行動制御方略⑥ 情報処理の倹約

最後、6つ目は「情報処理の倹約」です。

リソースを圧迫しすぎないように、取得する情報を制限しましょう。
選択的注意に似ていますが、ここでは「やめるタイミング」に焦点を当ててみます。

目標に関係のある情報ではあるけれど、今の目標を達成するためにそこまでの情報量はいらないかもしれない。

一週間後の数学のテストで点数をとるために、フェルマーの最終定理の解法を理解しておく必要はないかもしれません(モチベーション向上の役には立つかも)。

目標達成のためには適切な情報処理をする必要があるのです。

意外と、最初に決めた目標を達成できない人の中には「情報処理の倹約」が下手な人がいます。

やる気を出したと思ったら、やたらと深い知識まで覚えようとして、その情報量に潰されるパターンですね。プログラミングとか始めた人に多いイメージ。

気をつけましょう。

自分の意志を維持する行動制御方略

・選択的注意
・記号化制御
・感情制御
・動機づけ制御
・環境制御
・情報処理の倹約

6つの行動制御方略について紹介してきました。

これらは目標達成を阻害する数多の敵に立ち向かうための“武器の雛形”です。
どれも抽象的なものなので、ここからあなたの具体的なルールやスキルに落とし込んで見てください。

また「目標」自体を見つめ直すのも大切なので「目標設定理論」「スモールステップの原理」も合わせて学んでみるといいかもしれません。

オリジナルの行動制御方略(具体的)リストをつくってみよう

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