ヤーキーズ・ドットソンの法則とは?最適な緊張感が最高のパフォーマンスをもたらす

ヤーキーズ・ドットソンの法則とは?最適な緊張感が最高のパフォーマンスをもたらす

今回のLearnTernでは「ヤーキーズ・ドットソンの法則」を紹介します。
緊張感とパフォーマンスには密接に関係があり、それを上手くコントロールできれば時間の質を格段に上げることができるはずです。

最適な緊張状態と動機付け

学習や仕事のパフォーマンスを上げるために最適な緊張状態とはどのようなものでしょうか?
そのためにどのような動機づけを行えばよいのでしょうか?

今回はヤーキーズ・ドットソンの法則と呼ばれる、パフォーマンスと緊張の関係を表した理論を紹介します。

学習者のやる気を引き出し、学習効率を向上させるために行う動機づけ。
教育者、また学習者自身にとっても必須のプロセスです。

しかしこの動機づけ、やればやるほど良い、というわけではありません。

例えば「ペナルティ(罰)」は学習者や作業者にとって緊張状態を与えるタイプの動機づけです。
適度な緊張状態を与えることができれば、ポジティブな効果を発揮します。
(例:テストで80点が取れなければ、お小遣い半減)

一方で、過剰な緊張状態を与えるようなペナルティはパフォーマンスを低下させてしまったりします。
(例:テストで100点が取れなければ、一年間お小遣いなし)

このような緊張(覚醒)状態とパフォーマンスの関係を表した理論が「ヤーキーズ・ドットソンの法則」です。
課題の性質によっても最適な緊張状態は変わってきます。
ヤーキーズ・ドットソンの法則を学んで、さらなる学習効率を求めましょう。

ヤーキーズ・ドットソンの法則とは

ヤーキーズ・ドットソンの法則とは、高すぎず低すぎない適度な緊張状態(ストレス)の時、人は最適なパフォーマンスを発揮できるとする法則です。

テストなどに臨む時、

① 点数に対してご褒美/ペナルティがついている学生A
② 一切ご褒美もペナルティもない学生B

の二者であれば、学生Aの方が高いパフォーマンスを発揮しそうですよね。

また、

① 80点を獲れなければ、お小遣い10%DOWN
② 80点を獲れなければ、お小遣い20%DOWN

であれば、よりプレッシャーの高い②の学生の方が頑張りそうですよね。
基本的に高い緊張・覚醒状態のほうが高いパフォーマンスを発揮できるとされています。

しかしながら逆効果になってしまうパターンもあります。

① 80点を獲れなければ、お小遣い10%DOWN
② 100点を獲れなければ、お小遣いなし

この例だと②の学生にとってはプレッシャーが強すぎて、十分な集中力を発揮できないかもしれません。
キツすぎるストレスがパフォーマンスに悪影響を与えているのです。

最高のパフォーマンスのためには最適な緊張状態(ストレス)がある
それがヤーキーズ・ドットソンの法則の基本になります。

課題によっても最適なストレスは変わる

この最適な緊張状態(ストレス)は、課題の性質によっても変わります。

簡単な課題/意欲が湧かない課題の場合

例えば、単純な計算問題や反復練習のような簡単な課題の場合です。
また、興味があまりなくてやる気が湧かない課題にも適用できます。

このタイプの課題の場合は「うっかりミス」などの単純なミスが増えてきます。

それを防ぐためには高い緊張状態を与える必要があります。
動機づけとしてはキツめのペナルティや嬉しいご褒美などを設定すると良いでしょう。

難しい課題/意欲が湧く課題の場合

逆に、難しくて複雑な課題や、勝手に意欲を湧いてくるような興味のある課題の場合はどうでしょうか。

こちらの場合は課題自体が与えるストレスが強く、ある程度の集中力が求められています。
そのため、動機づけによって大きなストレスを与えてしまうと、「緊張しすぎ」でパフォーマンスが低下してしまうのです。

また、内発的動機づけが機能している場合、過度なご褒美はアンダーマイニング効果を与えてしまう場合もあります。
*アンダーマイニング効果:内発的動機づけができている相手に外発的動機づけを与えてしまうことで、内発的動機づけが途切れてしまう。

したがって、難しい課題の場合は、比較的軽めのペナルティなどを与えると良いでしょう。

 

課題が簡単な場合は強めのストレス
課題が難しい場合は弱めのストレス

以上が、ヤーキーズ・ドットソンの法則による課題別の最適なストレスです。

ヤーキーズ・ドットソンの法則を意識してみよう

緊張しすぎず、リラックスし過ぎない。

ヤーキーズ・ドットソンの法則を理解して、最適な緊張状態を与えられるような動機づけを考えておくと、いろいろなパフォーマンスを向上させられるかもしれません。

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