8つの知能、あなたはどの知能が強い? 多重知能理論(MI理論)を解説します

8つの知能、あなたはどの知能が強い? 多重知能理論(MI理論)を解説します

今回のLearnTernでは、Howard Gardner「多重知能理論(MI理論)」を紹介します。
8つの知能のうち、あなたの武器になるのはどの知能でしょうか?

多重知能理論(MI理論)が生まれた背景は?

知能を測れと言われたらどうしますか?

一般的には「IQ(知能指数)」が思い浮かぶと思います。

しかし知能というのは、本当にこの一つの物差しだけで測ることができるのでしょうか?
研究者たちも同じように考え、いろいろな知能の種類を考えてきました。

前回はCattellによる「流動性知能と結晶性知能」についてでした。こちらは知能を2つに分けて
考えたものです。

今回はHoward Gardnerが提唱したもの。

なんと「8つ」です。

では「多重知能理論(MI理論)」について見ていきましょう。

多重知能理論(MI理論)の意義

Howard Gardnerによる多重知能理論。
Multiple Intelligence理論で、MI理論ともよばれます。

具体的な8つの知能について紹介していく前に、まずは多重知能理論の意義についてお話しましょう。

それまでは、知能といえば主に数学的・論理的な問題解決能力の高さを指していました。
当然、教育においてもこの「知能」を高めるためのカリキュラムが取られることになります。

しかし、それだけでは学習者の可能性を制限してしまっているのではないだろうか、もっと他にもあるのではないだろうか。

そこでHoward Gardnerが提唱したのが多重知能理論。
彼は「知能は一つではなく、複数あるのだ」と述べることで、学習・教育の可能性を広げたのです。

得意不得意が知能にもあることを示しました。

これは自己効力感やモチベーションの観点からも有用ですね。

数学的な能力がないことで、「自分は知的な課題に向いていない……」としてしまっては成長できません。
もうすぐ紹介していきますが、他にも知能はあり、それらの知能が必要な知的な課題も存在するのです。

学習者も教育者も、ぜひ知っておいてください。

多重知能理論(MI理論)の8つの知能

ではお待ちかね、8つの知能について紹介していきましょう。

① 論理・数学的知能
② 言語的知能
③ 運動感覚的知能
④ 音楽的知能
⑤ 空間的知能
⑥ 対人的知能
⑦ 博物学的知能
⑧ 内省的知能

前の4つは比較的わかりやすいです。後ろ4つは「へー」という感じかもしれません。

① 論理・数学的知能(logical-mathematical intelligence)

数学的な問題解決、抽象的な議論、仮説検証や因果関係の発見などが得意な知能です。
いわゆるIQに近いイメージですね。

数学が得意だったり、原因に対して興味を持っていたり、問題解決が好きだったりする特徴があります。

エンジニアや学者、医者、経理、弁護士など、現在の社会でわかりやすいエリート層に向いている知能とも考えられるでしょうか。

② 言語的知能(linguistic intelligence)

言語を操ることに関する知能です。
議論や文章の生成、外国語の習得などで力を発揮します。

読書や執筆が好きだったり、レトリック的なものが得意だったり、あと記憶力がいいなどの特徴がありますね。

作家や記者、翻訳者や外交官などに適正を持っているようです。

③ 運動感覚的知能(bodily-kinesthetic intelligence)

身体の操作、身体での表現が得意な知能です。
「運動に関する知能とかあるの?」と思うかもしれませんが、実際運動するときだって頭、動かしてますよね?

運動が得意、身体で表現したがる、手先が器用などの特徴があります。

適正としては、スポーツ選手や自衛官などの身体を使う系、ダンサーや俳優などの身体で表現系、職人などの手先が器用系が当てはまるでしょう。

④ 音楽的知能(musical intelligence)

音やリズム、音調、音楽などに対する感受性にあたる知能です。
運動に引き続きびっくりするかもしれませんが、僕的にはランクイン納得の知能です。

歌うのが好きだったり、リズム感があったり、絶対音感があったり。
まったく、僕からすると羨ましい特徴です。

やはりそのまま音楽系の職業に適正を持っているでしょうか。

⑤ 空間的知能(visual-spatial intelligence)

大きさや距離の測定などの空間把握、ひいては視覚に関する知能ですね。
とても感覚的なものなので、他人との差がわかりにくいかもしれませんが、ちょっと絵を描いてみるとあからさまに出てきます。

絵や図を描くのが上手い、距離感の把握が上手い、イメージ力が強い、などの特徴があります。

美術系やデザイナーなどのクリエイター系、あと意外と外科医やパイロットなどにも向いているようですね。

⑥ 対人的知能(interpersonal intelligence)

コミュニケーションに関する知能です。
他人の感情を読み取り、それに合わせた対応をとることができます。

会話が上手かったり、友達が多かったり、考えをよんだり。

指導者や政治家、カウンセラーや秘書なども当然ながら、コミュニケーションが重要となるポジションすべてに向いています。
この知能に関しては積極的に伸ばしていきたいですね。

⑦ 博物学的知能(naturalistic intelligence)

自然環境をはじめとする、多様な物事を分類し、関連付ける能力を担当する知能です。
イメージできない人は、「図鑑をつくる」知能だと思ってください。

動植物が好き、観察や分類(整理)が好き、図鑑が好きなどの特徴があります。

植物学者や考古学者などの学者系、自然関係の職業などに向いているようです。

僕は一番好きな知能です。
「わかる!」と「……は?」に分かれそうな知能かもですね。

 ⑧ 内省的知能(intrapersonal intelligence)

自分自身の分析・理解、それに伴う正確な判断に関する知能です。
ぶっちゃけ「メタ認知」ですね。

自分について考えることが多かったり、独自の世界観を持っていたりします。

心理学者やクリエイター系、あと経営者に向いているみたいです。

学習者を応援する、ひいては認知能力の強化を支援するLearnTernとしては“推し”の知能になります。

 

以上、8つの知能を紹介しました。

① 論理・数学的知能
② 言語的知能
③ 運動感覚的知能
④ 音楽的知能
⑤ 空間的知能
⑥ 対人的知能
⑦ 博物学的知能
⑧ 内省的知能

自分の得意不得意、わかりましたか?

多重知能理論を知って、良い学習と教育を

今回は、Howard Gardnerの多重知能理論(MI理論)について紹介しました。

学習者の可能性を制限しない教育の実現のため、ぜひ知っておきたい理論です。

それぞれの知能の解説にて向いている職業も挙げましたが、あまり気にしすぎないでください。
自己効力感的な話で、「向いていないのか」と思ってしまうと本当に学習効率もパフォーマンスも落ちてしまいます。

逆に「向いている」とわかった人は、それを強く意識して自己効力感を高めていきましょう。

 

自分、身の回りの人の知能を分析してみよう

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