初めての分野を学ぶとき、どうしていますか?
あなたは、これまで触れたことのない新しい分野を学ぶとき、どのような学習法をとっていますか?
1冊テキストを買って読み込んでみる。ネットで調べる。Youtubeで動画を探す。スクールに通う。
いろいろ方法はありますが、初心者が最初にすべきことがあります。
それは“常識”を学ぶことです。
“常識”を学ぶとは、いったいどういうことなのか、解説していきます。
“常識”を学ぶとは? 何の意味があるの?
あなたがプログラミング初学者だとして、考えていきましょう。
多くの場合、まずはプログラミング言語を学ぶことになるでしょう。周りに先生となる人がいなければ、とりあえずネットで調べつつ、何かしらテキストを買い、基本的な文法を学び始めます。
でも、全く触れたことのない初めての分野。
教材選びに大成功でもしない限り、一体今自分が何を学んでいるのかわからなくなってくるでしょう(体験談)。
初めてのシチュエーションにおいて、私たちは最初その世界の勝手がわかりません。
初めて飛行機に乗るとき、初めてアメリカの友人宅に泊まるとき、初めてセレブのパーティに参加するとき。
学習の時も同じです。
初めて学ぶ分野では何をしたらいいか、何のために何を学んでいるのか前後不覚のような状態に陥ることが多々あります。
これはその世界の“常識”を知らないために起こることです。
税関を通るときの常識、アメリカの文化、セレブの常識。
そしてプログラミング言語の常識。
教える側にとっては、この常識は当たり前のことなので、わざわざ教えたりしません。
腕のいい教師や質の高い入門教材はこの辺りを上手く対処し、前提を共有してくれますが、いつもそうとは限りません。
だから、まずは“常識”を学ぶことが必要なのです。
“常識”を学ぶことで、学習上の心理的コストや認知的コストが抑えられ、よりラクに効率的に学習を進めることができます。
“常識”を学ぶにはどうすればいいの?
常識を学ぶ方法はシンプルです。
たくさんの情報源に触れ、その共通項を発見する。
引き続きプログラミングを例に考えてみましょう。
手に入れたいのが「プログラミング言語の常識」の場合、まずは複数の言語を一通り勉強してみます。
このとき、それぞれの言語を完璧に理解する必要はないです。とにかく入門書を一通りこなしてみましょう。
例えばRuby、Java、C#、Python、PHPという風に勉強していきます。
そうすると、異なる言語間に共通する部分を見つけられるはずです。
それが「プログラミング言語界の常識」なのです。
大切なことは、1つの視点からでは点しか見えず、複数の視点を経験することで線・面・立体、そしてその世界の常識が見えてくる、ということです。
“常識”を知る、という観点に限って言えば、1つのテキストを集中してやり込むのは悪手なのです。
(あくまで、初学者が常識を掴む目的の場合です。プログラミングの場合、まずは1つの言語に習熟し、プログラミング・プロセスを実践的に経験することが上達への近道になります。)
プログラミング言語以外でも…
外国語だと、“常識”の存在を実感しやすいでしょう。
日本語―英語の1:1だと見えているものは限られています。
しかし、その後スペイン語やフランス語を勉強すると、なんとなく言語の世界における常識が実感できます。
まだ日本語と英語しか勉強したことのない人はもう1つ言語を勉強してみてください。一気に立体的な世界が見えるはずです。
他にも、デザインを学びたい(デザインというものの常識を知りたい)なら、デザインの基本に関する本をたくさん集めて読みましょう。いくつか応用的な本を加えてもいいかもしれません。
きっと、その中に共通して出てくることがあるはずです。それが「デザイン界の常識」なのです。
「デザイン界の常識」を手に入れたら、あとはその常識に沿って必要な技能・知識を習得していけます。
“常識”は、時として「地図」にもなるのです。
新しい世界へ行くときは、まずその世界の常識を身に付けろ
“常識”はその世界の地図であり、基本的な前提です。
さらに教える側にとっては教えにくいことです。
“常識”は、複数の情報源を使っていくことで獲得できます。
“常識”を使用することで、学習はよりラクに効率的になります。
新しい分野を学ぶときは、まず常識を探し出し、身に付ける。
これがあらゆる分野の初学者におすすめの、学習のコツでした。