今回のLearnTernでは「学習の極意を一つだけ挙げるなら」というテーマで書いていきます。
「予測」と「反省」についてです。
・学習レベルをアップさせたい
・イマイチ学習/トレーニングの成果が実感できない
そんな人は一読を。
学習の極意はメタ認知にあり
私は研究者ではないですが、学習スキルについての探求を続けています。最近では「学習のアーティスト」としての方向性も模索中です。
ある日、ふと思いました。
「もし学習の極意をひとつだけ教えてくれ」と言われたら私はどう答えるのか。
私が最も気にしているテーマは「メタ認知」なので、やはりメタ認知に関する極意を答えると思います。メタ認知は、自分の思考や学習をもう一つ上の視点から観察したりコントロールしたりするものです。
ゲームで効率よくレベルアップしていくには、ステータスを見たりキャラクターの特徴を分析したり、攻略情報を調べたりしないといけません。これがゲーム外にいる「プレイヤー」の役割です。
この「プレイヤー」の役割をリアル世界で担っているのが「メタ認知」になります。
学習レベルをアップするには「メタ認知」が不可欠なのです。
*メタ認知については以下の記事に詳しく書いてます。1万字でメタ認知の基礎知識が手に入ります。
オンライン・メタ認知とオフライン・メタ認知
メタ認知は時系列で2種類に分けられます。
活動中に行う「オンライン・メタ認知」と活動前/後に行う「オフライン・メタ認知」です。
2つの違いを考えてみてください。
どっちが簡単でしょうか?
オンライン・メタ認知は「通常の認知活動(思考や学習)」と「メタ認知」を同時に行う必要があります。リソース配分が難しいです。
オフライン・メタ認知は「メタ認知」のみにリソースを与えればOKです。内容が異なるので一概に比べることはできませんが、ハードルは低めですよね。
まずはオフライン・メタ認知に習熟するのがいいでしょう。
学習の極意はオフライン・メタ認知にあります。
「予測」と「反省」が成長をブーストする
オフライン・メタ認知は「活動前」と「活動後」に分けられます。
「活動前(後)のオフライン・メタ認知」と呼ぶのは長いので、名前をつけておきましょう。
活動前のメタ認知は「予測」、活動後のメタ認知は「反省」と名付けました。
「反省」は結構みんなしています。
学習において最も大事な段階ともいえるので、やってなかった人は悔しがってください。
「反省」でやることはシンプルです。
活動を振り返って、“理想”と”現実”のギャップを考えていきます。
そのギャップをどのように埋めるか、「改善策」を考えて次のサイクルにGOですね。
活動のフィードバックとして出てくる結果が“現実”です。
では“理想”は?
それを作り出すのが「予測」プロセスなのです。
このプロセスで予測=”理想”を得ていなければ、ギャップを定義できません。ということは、改善策の質が落ちます。学習のレベルが下がるんですね。
「予測」をはじめるための3ポイント
「予測」は大事です。
でも難しいです。
それはそうです。
まだ活動していないことを予測するんですから。学習していないことを想像するわけです。
だから「反省」に比べて難しいし、取り組まれる頻度も低くなってしまう。
だから今回は「予測を始めるための3ポイント」を考えてみました。
ポイント① 予測は外れることを受け入れる
予測は外れるものです。
そもそも予測とズレがあるから学習が成立するのです。
予測が外れたことで自己効力感を下げ、モチベーションDOWNになってしまうことは避けましょう。
ポイント② 予測を書き出す必要はない
「反省」プロセスを考えれば、予測も言語化しておくべきかもしれません。
でもイチイチすべてを書き出していたら大変です。重要なのは「学ぶこと」であり、「予測を書き出すこと」ではありません。
私は一番大事な予測を口に出したりしています。
あとは頭の中に浮かべておきます。
このポイントは人それぞれで、書き出したほうが上手くいく人もいるかもです。
つづく方でやっていきましょう。
ポイント③ すべてを予測しようとしない
予測といっても、これから行う学習のすべてを予測する必要はありません。
むしろ学習目標に合わせてテーマを絞って予測しましょう。
「今回はこのやり方で目を描いて、こうなるはず」
「公式をあんな感じで使えばグラフまではいけるはず」
「Lの発音はこれでいけるはず」
実際にやる学習は総合的(例:全身のイラストを描く/類題を解く/オンライン英会話)でも、このように部分に絞った予測を行っておきます。
これで「反省」のレベルを上げることができます。
学習レベル、アップです。
オフライン・メタ認知から始めよう
「学習の極意を一つだけ挙げるなら」というテーマで書いてみました。
オフライン・メタ認知の「予測」と「反省」。
「反省」をしている人は多いですが、「予測」をしている人は少ないです。でも成長力が高い人の多くは「予測」していることが多いように感じます。
やりましょう、「予測」。
次の学習前、3分測って「予測」してみる