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【第5回】どのように認知心理学を学ぶか【認知心理学のすすめ(全5回)】

【第5回】どのように認知心理学を学ぶか【認知心理学のすすめ(全5回)】

認知心理学の「実践者」たれ

 
ここまで4回にわたって「認知心理学のすすめ」を書いてきました。
認知心理学を学ぶ意味やその研究の一部を一緒に見てきましたね。
 
ところで、私は認知心理学者ではありません。
 
認知心理学の「研究者」ではないのです。
 
しかし認知心理学の「学習者」であり「実践者」であり「編集者」です。
 
学習や思考についての有用な知見である認知心理学を学び、実践し、人に伝えられる(人が使える)形に編集するのが、私の認知心理学との関わり方です。
 
私たちは、もっと“自分自身の使い方”を知るべきだと思うのです。
その手段として使えるのが認知心理学だと思っています。
 
研究するのでなければ、厳密な議論は必要ありません。
主観的に「有用化か、そうでないか」。
ただその観点で認知心理学の知見を利用する生き方をもっと広めたいと思っています。
 
そんな感じです。
 
というわけで、「認知心理学のすすめ」最終回では認知心理学の学び方・使い方についてお伝えします。
【認知心理学のすすめ】
 

認知心理学の学び方-書籍・論文

 
認知心理学を学ぶ基本のやり方は「本から学ぶ」ことになります。
 
最も多くの知見があるのは「論文の世界」、続いて「本の世界」です。
いきなり論文で学ぶのはハードルが高いかもなので、まずは本で学びましょう。
 

本の種類

一般書と専門書

ちなみに書籍は大きく2種類、「一般書」と「専門書」に分かれます。
一般書の方が簡単に、専門書の方が難しく書かれているのはわかりますよね。
 
見分け方としては、「研究者の名前がアルファベットで書かれているか」というものがあります。
この限りではありませんが、大体カタカナだと一般書で、アルファベットだと専門書です。
 
さらにテーマの広さでも分類できます。

「まとめ型」

まずは認知心理学全体について解説している「まとめ型」。
認知心理学の研究を幅広くカバーしていますが、一つ一つの内容や具体例は少なめです。
最初はこのタイプの本から読んで、興味のあるテーマの本を読むと良いと思います。
 

「分野型」

特定の分野を解説しているのが「分野型」。
論文の次に進んだ知見をゲットできる種類の本です。
ほとんどが専門書になってくるので学習のハードルは高くなりますが、その分得られるもの大きいです。
 

「関連(応用)型」

認知心理学の知見を現実に応用することについて書かれているのが「関連(応用)型」。
比較的、一般書に多いイメージです。
最近だとUIデザインなどの分野で多く出ています。
 
また本の中では多くの論文が出典として載せられています。
より詳しい学習がしたいと思った人は「Google scholar」や「CiNii」を使って検索してみましょう。
 
本で学習するときの注意点として、全部読む必要はありません。
難し過ぎる所、興味が湧かない所を必死に読んで、結果認知心理学が嫌いになるなんて勿体ない。
 
まずはわかりやすい所・興味の湧くところを読んで知識を貯めていきましょう
そのうち、以前は読めなかったところが読めるようになります。
 

認知心理学の使い方-実践からモデル化

 
認知心理学の実験環境を素人が手に入れるのは難しいでしょう。実験について学ぶのも面倒です。
しかし私たちの目的は認知心理学を使うことであり、究めることではありません。
 

実践

その条件であれば、認知心理学はいろいろなところで使用・観察できます。
何かを覚えるとき、理解しようとするとき。
問題に取り組むとき。
人と会話するとき。
色々な文脈で手に入れた武器を“試し打ち”しましょう。
 
そのなかで理論とのズレを感じることもあると思います。
その時は① 理論をもう1度学んでみる② 自分が使いやすい形にチューニング(編集)する、のどちらかです。
別に論文を書いて提出するわけでもないので気楽にいきましょう。
 

モデル化

“試し打ち”を繰り返すと自分の中でしっくりくるタイミングがあると思います。
そうなれば自分なりにモデル化を行いましょう。
 
モデル化とは、物事の仕組みや振る舞いを簡単なかたちで表すことです。
自分の認知システムがどうなっているかを表現してみることで、より実践的な理解が深まります。
さらに新しい分野やより深い分野を学びたいという欲求も出るかもしれません。
 

メタ認知の重要性

 
認知心理学の実践にはメタ認知が不可欠です。
自分の認知活動を認知しなければならないからです。
メタ認知の基本的な所を学んだら、まずは自分のメタ認知を感じてみましょう
メタメタ認知です。
実は認知とメタ認知を分けることには本職の方たちも苦労されているのですが、そこは自分なりでいいです。
メタ認知があり、それにより認知をモニタリング・コントロールできるという実感を持つことを目標にしてみてください。
 

認知心理学のすすめ

 
以上で認知心理学のすすめはおしまいです。
認知心理学に興味を持ち、実践したい!という人が増えてくれれば嬉しく思います。
また、認知心理学にフォーカスして紹介してきましたが、「その他の心理学分野」「その他の認知科学分野」も認知心理学や学習と結びついており、非常に面白いです。
今後当サイトでも取り上げていくと思われるので、ぜひ触れてみてください。
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