今回は、読書内容を覚えておくためのメモのタイミングについてお伝えします。
「読んでメモもしているのに思い出せない!」という人はこの方法で改善できるかも!
「メモしても見返さない」という人にも有効なので、ぜひお読みください。
ちょっとの工夫で変わる定着率!
何かを学びたくて読書するあなた。
学んだ内容を覚えておきたくて、読書しながら傍らにおいたメモ帳に書き込んでいきます。
しかし、次の日起きるとほとんど覚えていない。
一週間後にメモを見てもいまいち内容が思い出せない。
私にもそんな悩みがありました。
しかしある日、「テスト効果」なるものを知ります。
それ以来、メモのタイミングをちょっと工夫するだけで、学習定着率が上がったのです。
爆発的に向上したわけではありませんが、上手くできれば確かな実感があるはず(個人差はあるかも?)。
そんな、「読書メモのタイミング」についてお伝えします。
いつ/どのように読書メモしてますか?
本を読んでいて覚えたいことを見つけた時、いつ・どのようにメモしていますか?
色々なやり方があると思います。
以前の私がよく取っていたやり方を2つ紹介してみましょう。
① その瞬間にメモする
「これ覚えておきたい!」となった時、その瞬間、横に置いてあるメモ帳にメモしていく方法です。
この方法は、「覚えておかなければならない」という意識によってワーキングメモリが圧迫されることを防げるので、その点ではグッドかもしれません。
しかし、それは「忘れる」ということです。
メモを見返してもそこにあるのは断片的な内容。
その瞬間にメモしたものなので、自分の中でまとめた内容でもありません。つまり自分の記憶を刺激するわけでもないのです。
論文の出典や数字などのデータであればいいかもしれませんが、学習内容を定着させるのにはあまり向いていないかもしれません。
② 最後にまとめてメモする(本を見ながら)
とりあえず全部を読んだ後、ここは使えるなと思った部分に戻りつつEvernote(何でもいい)に書き込んでいく方法です。
さっきの方法と違って、「メモ」というより「まとめ」作業なので、定着率は上がります。
しかし一度読み終わっているので、意外と面倒くさい。この方法を取っている人でそんな風に思った人はいませんか?
また結局本を見ながらメモしていることに変わりはありません。
読書メモとテスト効果
冒頭で述べたとおり、私が読書メモの工夫を始めたのは「テスト効果」を知ってからです。詳しくは記事を読んで欲しいのですが、ここでも簡単に説明しておきます。
テスト効果とは、テストすることで記憶の定着率が上がりますよ、という効果です。
…………。
「当たり前?」という声が聞こえてきそうですが、意外と有効に使ってなかったりします。
内容を覚えるために何度も繰り返しテキストを読んでいるあなたは「テスト効果」の恩恵を受けられていません。
テスト効果を得るためには、テストに答える必要があります。
つまり、「思い出す」プロセスが必須なのです。
上で紹介した方法は両方、本を見ながらメモしていました。
これでは「思い出す」プロセスが少なくなってしまいます。
これから紹介する読書メモの工夫は、なるべく「本を見ずに」メモする方法です。
読書メモと精緻化・体制化
もう1つポイントを紹介します。
それは「精緻化」と「体制化」。
どちらも認知心理学の世界で使われている言葉で、記憶の定着率を上げる方略のことです。
*「方略」は方法と同じような意味で大丈夫です。
精緻化は、覚えたいことにいろいろな情報を関連付けることで思い出しやすくする方法。
イメージや場所、ストーリーなどを付加します。
体制化は、覚えたいことの構造・関連性などを整理することで覚えておけるようにする方法。
例えば、アルコール飲料の種類を覚えるために、その製造方法でカテゴリー階層化するなどの方法が考えられます。
これから紹介する読書メモの工夫は、この精緻化と体制化を促進します。
おすすめの読書メモの方法は?
ではお待ちかね、読書メモの方法を紹介です。
ちなみに今回紹介する方法は「ちょっとの工夫」がコンセプトなので、具体的なメモの書き方とかはありません。でも効果があるかもしれないのでぜひお試しください。
では、はい。
章の終わりなど、区切りの良いところでまとめてメモする(ただし、なるべく本は見ず、自分の言葉でメモする)
以上です。
「これだけ?」と思うかもしれませんが、これだけです。
ここまで解説してきた内容からこの読書メモの方法を分析してみましょう。
まず、その場でメモしてはいけないので、覚えておかなければなりません。そのため、ワーキングメモリを圧迫するとも言えます。しかしこの点は心配いりません。
「ワーキングメモリは節約しろ!」というのが普通ですが、それは関係のない悩みや周囲の音によってワーキングメモリが圧迫されることは避けろというものです。
今回は、学習したい内容を入れているのですから何の問題もありません。
次に、なるべく本を見てはいけないので、やはり覚えておかなければなりません。そしてメモする時に思い出さなければなりません。それも自分の言葉で。
ここが「テスト効果」ですね。
記憶の定着率が上がります(この辺は実感したほうが早いかもです)。
さらに覚えておくことと、自分の言葉を使うこと。
この制約が精緻化と体制化を促進します。
単純な話です。そのままでは覚えられません。
しかしあなたは覚えたいし、あとでメモしたいのです。
だからその場で頭の中にメモしていきます。
当然頭の中に適当に書き殴っても覚えられません。
だから工夫します。その工夫が精緻化や体制化となるのです。
(精緻化や体制化についてはまた今度いろいろ紹介します)
最後に、覚えておこうと必死になる。
このことがエピソード記憶となって、定着率をさらに押し上げるかもしれません。
メモすると、「忘れてもいいよ」と脳に指示することになってしまいますから。
メモの工夫で読書内容を定着させよう
今回は読書メモの工夫の方法を、テスト効果、精緻化・体制化を絡めながらお伝えしました。
章の終わりなど、区切りの良いところでまとめてメモする(ただし、なるべく本は見ず、自分の言葉でメモする)
実にシンプル。
しかし実際に取り組んでみると、明らかに脳の使い方が違うと感じるはずです。
このことがメタ認知の促進にもなるので、さらなら認知能力向上のきっかけにもなるかもしれません。
すべては繋がっています。
さあ、まずは読書から変えていきましょう。
この記事の内容を、記事を見ずにメモしてみよう
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