記憶力を上げるために何ができるか
記憶力。
誰もが欲しいと願い、記憶力が高い人に憧れ、書籍にも手を出す。
「きっと記憶力を上げることができれば、仕事も勉強も、もしかしたら恋愛も、もっと上手くいくだろう」
そんな誰もが憧れる記憶力ですから、多くの書籍や方法論が出ています。
認知心理学でも主要分野として毎年多くの研究結果が上がっています。
あなたもそんな書籍やレポートを一つか二つ、手にとったことがあるのではないでしょうか?
で、記憶力を上げることには成功しましたか?
いえいえ答える必要はありません。
成功していないからこそ、この記事を読んでいるはずです(たぶん)。
ここで少し私の話を挿れさせていただきます。
(「お前に興味ないねん!」という方は読み飛ばしてください)
実は私、記憶力、良いタイプでした。
誰もが羨むような超絶記憶力を持っていたわけではありませんでしたが、一度聞けば大半は、二回三回と学べば完全に覚えられるタイプでした。
特に記憶術や記憶の仕組みを知っていたわけではありませんでしたが、歴史系のテストなんかでは高得点を叩き出していたものです(100点とるかとらないか)。
しかしまあ「過去形」です。
高校一年生くらいまでの話です。
「子ども」は記憶術なんか知らなくても多くのことを簡単に覚えてしまいますよね。
何の工夫もしなくても、そのまま覚えられてしまいます。
「真っ白なキャンバス」にどんどん書き込むシンプルな記憶力です。
しかし大人になるにつれて、そのシンプルな記憶力は失われていきます。
大人の記憶はもっと複雑で、いろいろなものを関連しながら覚えていくのです。
子どものシンプルな記憶力のピークは大体10歳前後と言われています。
私の場合、シンプルな記憶力が長く続いていたのかもですね。
でも高校でいきなりその記憶力を失った私はピンチです。
そこから私は「記憶力」というものに興味を持ちはじめ、記憶力を上げる方法についてもいろいろ調べてきました。
そのおかげもあってか現状、平均よりは高い記憶力を持っているかもなーと恥ずかしながら思ったり思わなかったりしています。
=自分語り、終了=
今回はそんなこんなで「記憶力を上げる方法」に興味を持った私が調べた数々の記憶術の根幹にある原則・コツみたいなものを3つ、紹介します。
たった3つの原則で、記憶力を上げる方法が理解できるはずです。
では、はじめます。
記憶力を上げるための3つの原則
早速3つの記憶力を上げるための原則、紹介していきます。
- 関連付ける
- 五感でイメージ化する
- 自分を関与させる
記憶力を上げる原則① 関連付ける
1つめの原則は「関連付ける」ことです。
子どもの記憶はシンプルで、大人はもっと複雑、みたいな話をしましたが、その話をもっとも象徴している原則でもあります。
「記憶したいこと」をそのまま記憶するのは、人間、苦手だったりします。
一方で人間は「関連付ける」ことが大の得意です。
「カレー」といわれて、何を連想しますか?
「デート」「東京」「さとうきび」「ハト」「電卓」
それぞれの言葉に対して、個人的なことも一般的なことも、いろいろ連想できるでしょう。
実はこの能力において、人間はAIに勝っていたりするかもしれません。
この得意技を利用した記憶術は実に多いです。というかほぼ全てです。
「覚えたいこと」と別のことを関連付けたり、「覚えたいこと」同士を関連付けたりします。
有名なものだと、要素同士を関連させてストーリー化する記憶術や、よく知っている場所に関連付ける「場所法」などがあります。
記憶力を上げる原則② 五感でイメージ化する
2つめの記憶力を上げる原則は「五感でイメージする」ことです。
認知心理学って人間の脳をコンピュータとして捉えることが多いんですが、この2つ目の原則については真逆かもしれません。
コンピュータだと、文字のほうが画像よりも軽い(データ量が小さい)ですよね?
つまりまあ、覚えやすいはずなんですね。
でも人間は文字だけより、いろいろな情報がくっついていたほうが覚えやすいんです。
五感を駆使することでその情報を増やすことができます。
黒板に書いてある「スイカ」という文字。
それを覚えておくのに五感でイメージ化します。
メインはやはり「視覚」です。
スイカの視覚的イメージをできる限り詳細に描きます。浜辺やスイカ割りもイメージして良いかもしれません。
他にも波の音、潮の香り、砂の感触、そしてスイカの味。
これら五感情報で処理を増やし、「関連付け」ておくことで記憶力は上げられるのです。
また上のものは想像上のイメージでしたが、現場の情報を五感で捉えておくことも有効です。
チョークのカスレ具合、黒板の汚れ具合、クラスメイトの声や弁当の香り、今食べているオカズの味や座っている椅子の硬さなど。
記憶力と五感イメージは強く結びついているのです。
記憶力を上げる原則③ 自分を関与させる
最後3つ目は「自分を関与させる」ことです。
基本的に、自分に関係があることの方が覚えていられるのはなんとなくわかりますよね。
何の役に立つかわからない数学の公式より、好きな子の誕生日の方が覚えていられるという人もいるでしょう。
記憶力を上げるためには「自分を対象に関与させる」ことが大切です。
もちろん直接関わっていってもいいですが、記憶術的には想像上の関与が上手くできればいいでしょう。
先ほどの場所法なんかだと、「自分の部屋」や「自分の通学路」に関連付けます。
ストーリーの主人公を自分にしてもいいでしょう。このとき「感情」を上手く絡めればさらに記憶力が上がります。
どんな取っ掛かりでもいいので、対象と自分を繋げることが大切です。
記憶力を上げるための原則を理解した上で、記憶術を実践していくと効果増大が期待できるでしょう。
<記憶力を上げる原則>
① 関連付ける
② 五感でイメージする
③ 自分を関与させる
記憶力を上げるためにはトレーニングが必要
記憶力というものは何か方法を学べばすぐさま上がるものではありません。
トレーニングが必要です。
記憶力を上げるトレーニング法についても様々なものが提案されていますが、その基礎となっているのはこの3つの原則です。
3つの原則につながる力を日頃から鍛えていれば、記憶力を上げることになるのです。
「関連付ける」なら、日頃からストーリー作りをしてみたり、似ているものを発想してみたり。
「五感でイメージする」なら、周囲の環境情報に対して五感をフルに使ったり、読書時に五感イメージを実行したり。
「自分を関与させる」なら、周りのもので笑えるネタを考えたり、一日マニアになってみたり。
原則を理解すれば、日常全てが記憶力を上げるためのトレーニング場になります。
できることからやり始めてみてください。
記憶力を上げて、最高の学習体験を!
- 多くの記憶術に共通する記憶力を上げるための原則
- ①関連付ける ②五感でイメージする ③自分を関与させる
- 記憶力を上げるトレーニングは日常を使ってできる
このLearnTernは「一流の学習者」を増やすということでお役立ち情報を発信しています。
というわけで今回の内容とLearnTern、「学習」を関連付けておこうと思うのですが……
「記憶力」を上げることができれば、ぶっちゃけ「学習」はめっちゃ変わります!
もうなんか言うまでもないですけど、学習計画を立てる段階から変わりますよね。情報収集効率もべらぼうに良くなります。
そもそも学習の研究の源流には記憶の研究がありますし……。
そんなわけで、今後も「記憶力」をテーマにした記事を発信していきたいと思います。
使えるやつだけでいいので、ぜひお読みください!
3つの力を鍛えるトレーニングを考案・実行してみよう