今回のLearnTernでは「ツァイガルニク効果」を紹介します。
勉強や作業への集中が続かない人にはオススメです。
ツァイガルニク効果を学習に応用できる?
やりかけの仕事が気になったことありませんか?
マンガやドラマがいいところで終わって一週間そわそわしたこと、ありますよね?
これらは心理学で言うところの「ツァイガルニク効果」というものです。
誰もが経験しているであろうツァイガルニク効果。
実はこのツァイガルニク効果は仕事や恋愛、広告など、様々な文脈で利用されていたりします。
もちろん「学習」にも応用できます。
特に「勉強時間が伸びない人」「一度休憩すると机に戻ってこれない人」はツァイガルニク効果で人生変わるかもしれません(言い過ぎ)。
今回のLearnTernでは、ツァイガルニク効果を学習に応用する方法と例を紹介していきます。
ツァイガルニク効果とは
ツァイガルニク効果とは、簡単に言うと、「やりかけのことが気になって仕方ない」という現象のことです。
人間は何らかの目標をもって行動を開始したとき、一種の緊張感を得ます。
行動している間、その緊張感を持っているわけです。
そして、目標を達成し、行動を完了した時に、その緊張感が解消されることになります。
ツァイガルニク効果は、この緊張感が行動をしていないにもかかわらず保持されている状態です。
目標を達成してしまうと緊張感が失われるので、目標は未達成の状態でその行動から離れるとツァイガルニク効果が発生します。
「2人の勝負の結果を知る」という目標を無意識で持ちながらドラマを見ていて、それが未達成の状態で次週になってしまった時。
「この仕事を終わらせる」という目標を持っていたが、上司に呼ばれて席を外した時。
ツァイガルニク効果は、やりかけのことが気になっている(緊張感を保持している)状態のこと
ツァイガルニク効果を学習に応用する方法
ツァイガルニク効果を上手く応用すれば、学習意欲を保持し続けることができます。
やり方はカンタンです。
学習の休憩に入る時、やりかけの状態で残すこと。
私達は「キリのいいところ」までやる傾向にあります。
当然、「キリのいいところ」まで終わらせてしまうと目標達成となり、行動の緊張感が失われてしまいます。ツァイガルニク効果は起こりません。
あえて中途半端な所で中断することでツァイガルニク効果を起こすのです。
具体的なやり方を2つ紹介しておきましょう。
方法① 制限時間を設定して、そこで止める
学習の時間を設定して、時間が来たら中途半端なところでも休憩に入ります。
この方法はかなりツァイガルニク効果を実感できます。
設定しておいた休憩時間を早めに切り上げて学習に戻ったりするレベルです。
テスト前とか、あえてこのようなやり方を取るのは密かにオススメです。
方法② キリのいいところまでやったら、もう一歩だけ進めて休憩する
区切りのいいところまで進んだら、あえて次の区分をやりかけてしまう方法です。
ツァイガルニク効果で結構そわそわできます。
一方、ひとつ欠点があるとすれば、慣れてくる、ということです。
もはや自分の中で「キリのいいところ」の認識が変わってしまうのです。
連続してこの方法を取っていると生じる現象ですが、私の場合はこうなったら思い切って休んでます。
ツァイガルニク効果を応用するためには、「やりかけ」で止める
ツァイガルニク効果を活かした学習の具体例
ツァイガルニク効果を学習に応用した具体例をいくつか示しておきましょう。
ツァイガルニク効果の例 ① 数学の勉強
数学の勉強の多くは「問題を解く」ということになります。
問題が終わったところで休憩していてはツァイガルニク効果は生じません。
グッドタイミングは2つあります。
1つは、問題を解き終わって答え合わせをする前。このタイミングで休憩します。
すると、答えが気になるというツァイガルニク効果も発生しますが、もう一点メリットがあります。
休憩明け最初にやることは「答え合わせ」です。ラクです。ハードルが低くなります。
もう1つのタイミングは、新しい問題に取り組みはじめ、解法を考えるタイミングです。
ある程度考えて、ペンを置きます。実際に解き始めるのは休憩後です。
思いついた解法を忘れないようにする気持ちや、早く試してみたい気持ちが働き、学習意欲が継続することが期待できます。
ツァイガルニク効果の例 ② テキストで勉強
資格の勉強をする時など、テキストでの学習を行うことも多いと思います。
この時は、次の章をサラッと読んでから休憩に入りましょう。
すると、休憩の間なんとなく次の章の内容が頭の隅に残っています。
数学の例のときほど強いツァイガルニク効果は得られませんが、休憩明けの学習をスムーズに進めることができます。
ツァイガルニク効果の例 ③ プログラミングの勉強
プログラミングを実践しながら学習している時、あえてめっちゃ中途半端な所でコーディングを中断してしまいましょう。
プログラミングをする時は、ある程度カタマリを意識しながら取り組んでいることが多いと思います。
そのカタマリの途中で止めてしまうのです。
ストレスです。
作業に集中していればしているほど、休憩中の頭の中でコードが踊ることになります。
これも一種のツァイガルニク効果です。
ツァイガルニク効果の注意点
最後に少し注意を。
ツァイガルニク効果は休憩前後で学習意欲を保ってくれる魔法です。
自分の学習時間が短くて困っている人には助けになるものでしょう。
一方、ツァイガルニク効果は休憩の質を落とすかもしれない、というリスクがあります。
緊張感というのは一種のストレスです。
それを保持し続けている以上、見えない部分で疲労は溜まっていきます。
なかなか終わらない作業がある時、取り組んでいない時にもストレスを感じてしまっていた経験はありませんか?
このような状態に陥ってしまわないよう。ツァイガルニク効果の使用には気をつけましょう。
特に他者の学習デザインに取り入れようと思った人はその人の特性も考えた上でデザインしてあげてください。
ツァイガルニク効果を学習に活用しよう
- ツァイガルニク効果は「やりかけのことが気になってしまう」現象
- 「やりかけ」の状態をつくることでツァイガルニク効果をつくり出せる
- ツァイガルニク効果は休憩の質を下げてしまう場合もあるので、注意が必要
今回はツァイガルニク効果について学びました。
学習時間が伸びなくて困っている人は一度おためしください。
私は朝ごはんや昼ごはんを食べる前の学習や作業の時に使ったりしています。
上手く使えば「自分へのご褒美」を用意するよりはるかにコスパのいい方法ですよ。
次のご飯の前にツァイガルニク効果を実際に試してみよう