【Attention!】「ラベルを貼る」ことのデメリット【学習者が持つべき目標の種類】

【Attention!】「ラベルを貼る」ことのデメリット【学習者が持つべき目標の種類】

今回のLearnTernでは「ラベルを貼るデメリット」を学習の文脈から紹介します。
無意識に学習の質を下げてしまっているかもしれません。

短めの記事なので、見ていってください。

「ラベルを貼る」って何?

私たちは「ラベルを貼る」のが好きです。
自分にも他人にも。

「あの人は勉強のできるヤツだ」「自分は勉強が苦手だ」
「アイツは数学が得意だ」「自分は英語が苦手だ」
「僕は人付き合いができない」「私はどれだけ練習してもスポーツがうまくならない」

このようなラベルは、学習などの活動に影響を及ぼすことが知られています。

ラベルのデメリット

――人は、自らに貼ったラベルに相応しい行動をとる傾向にある。

「自分は英語が苦手だ」というラベルを貼ってしまった人は、英語の学習効率が悪くなってしまうようです。

これは英語の習熟に本来必要であることをしていなかったり、無意識に本気度を下げてしまったりしているからです。

それをまるで自分の才能がないかのように語ります。
「原因帰属理論」で言えば、本当は統制可能な原因あるのにも関わらず、ラベルのせいで統制不可能な原因にばかり注目してしまっている状態です。

本当ならもっと努力したり、環境を変えたりすることで成長できるのに、ラベルのせいで限界を感じてしまうのは非常にもったいないと思います。

目標の種類とラベル

ラベルの影響は特に「成果目標」を持っている時に強くなります。

成果目標、別の言い方をすれば「パフォーマンス目標」ですね。
「テストで80点をとる」「営業成績で何位に入る」などの成果に注目する目標のタイプになります。

「英語が苦手」のラベルを貼っている人が「テストで80点」を目標にし、「75点」を取ったとします。5点を改善すれば目標に届く、十分な点数です。内容を見返して、どの部分ができるようになったのか、さらなる改善点はどこかを探すべきでしょう。

しかしながら、成果目標&ラベルの学習者は成績だけを見て「やっぱり自分はダメだ……」となってしまいます。

こういったネガティブ思考は、本来なら「理解」「記憶」「メタ認知」に割かれるべきリソースを制限してしまうので、学習者にとってはエグい敵です。

本当にもったいないことです。

対策を学んでおきましょう。

ラベル対策と目標の持ち方

ラベル対策① ラベルを貼らないようにする

まず当たり前の対策は「ラベルを貼らない」こと。
本当に当たり前ですね。

ポジティブなラベルはともかく、「自分は〇〇が苦手」「昔から〇〇ができない」などのラベルは学習者にはいりません。

自分を変化させることのできる学習者にそのようなラベルは相応しくありません。

とりあえず、ラベルを口に出してしまうのはやめておきましょう。

代わりに『夢は、口に出すと強い』(週刊少年ジャンプの広告)ので、ポジティブなことばかり言っておけばいいです。「自己効力感」にも好影響ですし(→言語的説得)。

ラベル対策② マスタリー目標を持つ(習熟に集中する)

とはいえ、べったりとラベルが張り付いていたり、周囲の人間によってラベルを貼られてしまったりということもであるでしょう。

そんな時は「目標の種類」を変えましょう。

特に影響が出るのは「パフォーマンス目標」のときです。
「パフォーマンス目標」を「マスタリー目標」に変えます。

マスタリー目標とは、習熟に注目した目標のことです。
「仮定法の問題を解けるようにする」「単語を新たに10個覚える」などがあります。

パフォーマンス目標がデメリットだらけというわけではありませんが、ラベル対策というのならマスタリー目標です。

あと「固定マインドセットと成長マインドセット」の話も参考になるので、読んでみてください。

学習者にラベルはいらない

私たちはついつい自分や他人にラベルを貼ってしまいます。
定義しないと安心できないのか、不安になりたいのか。

――学習者にラベルはいりません。

とはいえ、いきなりラベルをなくすのは難しいので、マスタリー目標を使って上手くラベルと付き合っていきましょう。

 

自分に貼っているラベルを書き出してみよう

認知心理学(とか)カテゴリの最新記事