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チャンキングとは? まとめて記憶で「7±2」におさめよう!

チャンキングとは? まとめて記憶で「7±2」におさめよう!

今回のLearnTernでは「チャンキング」について解説します。
なぜ一流の棋士は盤面を正確に記憶できるのか。
その裏に潜む認知の仕組みに迫ります。

なぜ棋士は盤面を正確に記憶できるのか

一流の棋士はいくつもの盤面を正確に記憶することができます。

試しにネットで将棋の盤面を検索して、覚えてみてください。
数十枚のコマの配置を記憶するのは至難の業です。

棋士たちはどのように記憶しているのでしょうか。
何かコツがあるのでしょうか?
それとも生来持ち合わせた圧倒的な記憶力が為せる業なのでしょうか?

認知心理学では、将棋やチェスのプレイヤーに研究協力をしてもらうことがよくあります。
今回は棋士が初心者に比べて、圧倒的多く、そして正確にコマの配置を覚えていられることから導かれる仮説を提供します。

「チャンキング」のお話しです。

チャンキングとは

先に言ってしまうと、秘密は「チャンキング」と呼ばれるものです。

「チャンク」は“かたまり”を意味する言葉で、「チャンキング」はそのチャンクをつくることになります。
「チャンキング」すれば覚える量は少なくなります。

つまり、棋士たちはコマ一つ一つがどこにあるのかを記憶しているのではなく、いくつかのかたまりとして覚えているのです。

実験には棋士と将棋初心者が参加し、記憶の成績を比較しました。
普通の棋譜にある盤面の場合、棋士は初心者に比べて圧倒的な成績を修ることができます。

しかしランダムな盤面になると、そうでもなくなるのです。

これは何を意味するでしょうか?

棋士はこれまでの実践や研究の中で多くのコマの配置に深く触れてきています。
そして、目の前のコマの配置を「過去の経験」と結びつけることでチャンキングを行っているのです。

しかしランダム配置の場合、将棋に見られるような戦略は存在せず、これまでに見たことがないようなコマの配置が生まれます。これではチャンキングを効果的に行うことができません。

実際、棋士は驚異的な記憶力を持ち合わせているわけではなく、あくまで将棋に関して圧倒的な記憶力を発揮するのだということがわかっています。
あなたも、自分の好きなものや取り組んだ経験が長いものは簡単に覚えられたりしますよね。

不思議な数字7±2とチャンキング

チャンキングと絡めてもう一つお話しをします。

「不思議な数7±2」の話です。直接、マジックナンバーと言ったりもします。

これは認知心理学ではメチャクチャ有名な話でよく引用されています。
提唱したのはGeorge Miller、アメリカの心理学者です。

端的に言うと、

人の短期記憶の容量は「7±2」である(個人差で±2)

という主張です。

この主張に従って、物語の主要人物は7人までにした方がいいとか電話番号の桁数やクレジットカードの番号が工夫されているとか、いろいろ言われています。
(個人的には、マジカルナンバーはそういうものではないと思いますが……)

そして気になるのが、なぜ「不思議な数」「マジカルナンバー」などと言われるのか。

それは、

7±2が「情報量」ではなく「チャンク」だから

です。

7つスロットがあるのをイメージしてください。
マジカルナンバーが示しているのはこのスロットの数です。

そしてスロットの大きさは規定していません。

つまり各スロットに数字を一つずつ入れた場合も、各スロットに人のフルネームを入れた場合も同じ「7±2」が覚えられる量なのです。

なら同じスロットに一つずつ数字を入れるより、いくつかセットで数字を入れた方がいっぱい覚えられますよね?

それが「チャンキング」なのです。

チャンキングを促進するためには?

「じゃあチャンキングのためにはどうすればいいの?」

そういった疑問が浮かぶと思います。

単純な話をすれば、その分野で熟達していくにつれて、ある程度チャンキングができるようになってくるものです。

とはいえそれだけでは即効性がないので、代表的な手法を2つお伝えしますね。

チャンキング① 関係性に注目する

棋士たちはコマ同士の関係性を見てチャンキングしています。
戦略・戦術上、コマ同士には何らかの関係性が生まれるのです。

「関係性」に注目することでチャンキングが可能になります。
覚えたいことがある時、それぞれを独立で覚えるのではなく、関係性を見つけてセットにするのです。

これは学習の基本なので、ぜひスキルとして習得してください。
またLearnTernnoteで詳しい解説をしたいと思います。

チャンキング② イメージ化する

もう一つの方法は「イメージ化」です。

イメージにしてかたまりをつくる方法です。
語呂合わせとかもこの方法の流れを汲んでいるといえるかもしれません。

イメージ化は記憶術でよく用いられますし、速読にも役立ちます。
こちらも訓練してみてください。

チャンキングで記憶を上手くやろう

今回はチャンキングについてお伝えしました。

「かたまりで覚える」というのを意識するだけでも、記憶のクオリティは大きく変わりますし、関係性の発見やイメージ化は学習全般に有効です。

自分の専門領域で、何がチャンキングされているのかメタ認知してみるのも面白いかもしれませんね。

チャンキングで、達人になりましょう。

 

チャンキングしているな-と思うことを探してみよう(メタ認知)

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